【採択助成事業】

佐賀災害-2019(武雄市朝日町内で子どもの居場所提供、支援物資の貸与、情報提供活動)

佐賀災害-2021(お風呂・シャワーの提供、持ち帰りのお弁当提供活動)

特定非営利活動法人 Aスタは、武雄市を拠点に子どもを中心とした街づくりや教育力の向上を目指して活動を行う団体です。

近くの小学校のグラウンドで子どもたちが楽しめるイベントを実施したり、誰もが来ることのできる子ども食堂の活動に取り組んだりしています。

こういった様々な取り組み以外にも、水害の被害を受けた2019年と2021年には地域住民を支援する活動をしました。

今回はその時の様子を代表の岡本忠裕さん(以下、岡本さん)に聞きました。

◇地域が連携して「子ども」について考える

代表の岡本さんは武雄市の教育委員会に着任されていたことがあり、元より地域の子どもたちの学びをどのように向上させていくのかを考えていました。

2018年には空き家を改修して、子どもたちが集まる場づくりや、小学校教員と地域の人が交流する、通称「食飲会議」を実施。

地域が一体となって、子どもが交わる環境をつくることを目指して取り組みました。

そんな活動を始めて間も無く、武雄市では水害の被災を受け、地域住民の家屋の修復や復旧が強いられることになります。

一方で、子どもたちも、家での居場所や遊ぶ場所を失いました。そこで、以来より開放をしていた空き家を子どもたちの場所として提供することにしたといいます。

◇子どもの居場所が支援拠点の1つに

2年後の2021年、再び豪雨の影響で水害の被害を受けました。前回の経験を参考に、必要なものをSNSですぐに発信したり、近隣の住民に呼びかけたりしたそう。

「2回目だったので、すぐに行動することができました。全国から支援物資が届いたり、夏休み中だったので学生もボランティアに来てくれて、とても助かりました。」と当時の様子を話す岡本さん。

災害支援の拠点となる公民館が近いので、誘導する役割も担っていたといいます。

また、味の濃い災害食を連日に渡って口にしている住民が「いつものご飯が食べたい」と話す様子をみて、白米やおかずなど「日常の味」を知り合いの飲食店と協力して提供しました。

こういった活動を通じて、顔見知りの人が広がると届いた物資も受け取ってくれる感覚があったとか。

時には、ボランティアとして参加していた学生と一緒に地域の家庭を回って届ける工夫もしました。

◇「人」と「人」が繋がっていくように

当時、災害支援の活動に参加してくれた学生が今でもイベントの手伝いとして来てくれたり、その時の経験をきっかけに将来の夢に繋げたりしてくれているんだとか。

今の子どもたちを見て、社会とより繋がっていきたい人が多いと感じていると岡本さんはこのように話します。

「今の大学入試制度で推薦枠が増えている背景もあると思いますが、社会の課題について関心のある若者が多いと感じています。」

エコバックを持つこと、子ども食堂の手伝いに参加すること、将来の仕事で社会に貢献したいと考えていること。

このような自分たちの社会への関心を活かした学びへと、従来の学びから転換していくことが、地域単位でできるのではないかと考えているといいます。

もちろん大人も、これからの地域にどう貢献していくのかを考えていきたい思いがあるそう。

若い世代が地域の企画を担い、大人がその背中を後押しするというあり方。

例えば、公民館のイベントを高校生が主催して地域に発信してみるとか。

今後は、若い世代と大人が繋がって、社会をどう創っていくのか構想を練っていきたいと意気込んで岡本さんは話してくれました。

「活動をするには、お金が必要ですが人材がいれば、地域ではなんとかなります。” 人的財産 ” を育てていけたら良いと思います。」

「人」と「人」が繋がるとできることが増えていく。だからこそ、学びを通して人を育てていきたいのだと取材を通して感じました。

きっと、これからの活動でも地域の人の思いをぐっと後押ししながら、できることを増やしていくのだと思います。

そんなAスタの取り組みに、私もエールを送ります。

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令和5年7月佐賀豪雨災害対策支援基金

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